こんにちは、ジェム矯正歯科のシラカワです。
本日は、IPRについてご紹介します。
IPR (InterproximalReduction) とは??
歯と歯の間にスペース(隙間)を作ることです。
隣在(Interproximal)の
エナメル質(Enamel)の
削減、削合 (Reduction)の
頭文字をとってIPR(アイピーアール)と言います。
同じ意味として、Stripping ストリッピングや disking ディスキング とも呼ばれています。
簡単にいうと・・・歯と歯の間(隣接面)のエナメル質や詰め物・クラウン(被せ物)などを、ダイヤモンドバーやストリップスなどで削ったり、研磨したりすることです。
特に矯正治療(歯列矯正)を行う際に、歯を並べるスペースを作るために前歯の隣接面を削ったりすることがよく行われています。
◆ストリッピングの適応
・詰め物・クラウンなどの隣接面の研磨
・非抜歯矯正や抜歯矯正後にスペースが足りない場合
・ブラックトライアングルが目立つ場合
◆矯正治療におけるIPRの目的は主に3つです。
①スペース(隙間)を作ること
②歯間乳頭の形成
➂歯列の長期安定
◆矯正治療におけるストリッピングの問題点
ストリッピングは手技的に比較的簡単で、短期間で目的とする量のスペースを確実に作ることができるので、矯正治療の際にしばしば行われますが、以下のような問題点も指摘されています。
・歯が縦長になり、審美的に悪くなることがある。
(元々が横長の歯には向いているとも言える)
・歯と歯は本来「点」で接触しているが、ストリッピングを行うことによって「面」による接触となる。
(接触の様式が変わることによって歯の動揺の仕方が天然歯とは異なったものになる。)
このことが虫歯予防や歯周病に対して不利に働くのではないか?という懸念がある。
・きれいに研磨を行わないと、虫歯や歯周病になりやすくなる。
・ストリッピングで作ることの出来るスペースの量は限られている。
(多くのスペースが必要な場合は、やはり抜歯が必要)
◆どのぐらい削るの?
0.2~0.5mm程度です。
上下の前歯のエナメル質の厚さは下記のとおりで、人間の歯の表面は1~2mm程度のエナメル質の層となっており、IPRによっても歯の寿命が短くなるといった問題は生じません
◆唇面において
歯頚部 0.2mm~0.5mm
中央部 0.5mm~1. 2mm
切端部 0.9mm~1.6mm
◆舌面において
歯頚部 0.1mm~0.4mm
中央部 0.4mm~1.0mm
切端部 0.4mm~1.0mm
歯頚部(歯の歯肉側)から切端部(噛む面)になるにつれエナメルが厚くなる傾向があります。
歯冠の中央部から切端側にかけては、唇面では中央、隅角、隣接面のエナメルの厚さはほとんど変わらない傾向ですが、舌面では中央部から切端側にかけては、舌面中央 より隅角のエナメルのほうが厚く、また隅角より隣接面のエナメルのほうが厚くなる傾向が認められています。
歯を削るとなると少し不安になることもありますが、実際に体験してみると、そこまで削られている感覚はないかと思います。
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