Narrative Based Medicineについて
これは、ナラティブ・ベイスト・メディスン(Narrative Based Medicine)という考え方に沿ったものです。私は、この考え方がとても重要で私の日々の矯正治療人生において欠かせないものだと認識しております。
本来、医療の目的は、健康の維持・向上です。しかしながら病気は治ったが社会復帰には程遠く、満足を得られないという声を聞く事があります。
EBM(根拠に基づく医療)に基づき良い医療を行っても、患者様の満足度が上がるとは限らないのです。患者様の満足度は科学的な正しさとは別のレベルであるのです。QOL(一人一人の生活の質)の向上を目指し、患者様との対話を通じて、医療をする側、される側の良い関係を築いていきたいと考えております。患者様が当院に来るまでの物語を聞きたいと考えております。当院に来る前に歯並びが気になったきっかけや矯正に中々踏み切れなかった理由や〇〇歯科に行ったこと、そこが気に入らなかった事など、その対話の中に患者様の希望があり、それを聞く事で、私がそれに気付くことが出来るからです。同時にたくさん対話を重ねる事で、「知らない」から「知っている」に変わります。また患者様自身が心のどこかで気にしている事を上手く表現出来ずにいたことも対話の中で気付き、声に出せることがあるかもしれないのです。する側もされる側も患者様が何に重きを置いているのかしっかりと理解できることに繋がるのです。
患者様とドクターサイドの信頼関係から、患者様の内なる声を聞ける様になりたいと当院は考えております。患者様が自分の状況をしっかりとお話になれる場合は、良いのですが、恥ずかしいと感じている事を声に出すのは難しい事と思います。その聞こえない声を聞けるように日々、精進したいと思っております。当院は、Narrative Based Medicine(物語りと対話に基づく医療)を基本に皆様の生活の質・幸せ指数向上を目指して努力させていただきたいと思います。
当院では、この大事な対話はドクターがカウンセリングを行います。カウンセリングだけではありません。その後の治療もドクターが対応します。どんな些細なことでも構いません。どんどん聞いてください。何を聞いて良いのかわからない場合は、ドクターが矯正のことに関して、色々お話します。その中で、自身の治療について考えてみてくだされば良いと思います。