2018/12/27 カテゴリー:院長ブログ | コラム/院長
歯列矯正の痛みの種類について
矯正は痛いと聞いたことがある人もいると思いますが、実際にどのくらい痛いのでしょうか。矯正を受ける前のほとんどの患者が、痛そうで怖いというイメージを持っています。全く矯正の痛みを無くすということは残念ながらできません。
しかし医師の技術や配慮、痛み止めなどによって痛みを軽減することは可能。痛みを強く感じる場合は、痛みの原因や痛みの感じ方に合わせた治療を行ないます。
歯が動く痛み
矯正装置を付けると歯が引っ張られているという感覚になります。装着から平均6.4時間で痛みを感じると言われていますが、痛みのピークは35.7時間後と言われています。そこから少しずつ痛みは和らいでいきますが、1週間ほど痛んだという人もいます。慣れて来る人がほとんどでだんだんと痛みを感じなくなりますが、装置を付けた直後は大概の人が痛みを感じます。装置で歯を引っ張ることによって移動させるのが歯列矯正ですが、一般的にこの移動時には95%の確率で痛みが起こると言われています。ですからほとんどの人が装置の装着後に痛みを感じるのです。
装置が当たる痛み
歯を動かすためにワイヤーとブラケットという装置を使いますが、これらが口や舌に当たってしまいます。角が丸まっていて大きさも小さいとはいえ、金属の装置が口の中に当たります。そのため刺激によって口内炎になりやすくなります。装置そのものというよりかは装置が原因で口内炎を引き起こし、その口内炎による痛みを伴います。他の痛みに比べれば我慢できる程度、あるいは塗り薬などで対処できるかもしれませんが、人によっては口内炎が酷すぎて食事ができないという人も。どの程度口内が荒れるかは、装置を付けて見なければ分かりません。ですが口内炎は治るものであるため、薬を塗るなどして我慢するしかないというのが現実です。
噛む痛み
噛む痛みとは、食事の時に伴う痛みのことです。装置を付けたその日から痛みを感じる人もいて、白米や豆腐など柔らかい物しか食べられなかったという人もいます。
また、噛むと痛いと言うことを知らずに固い物を食べてとても痛い思いをしたと言う人もいます。歯が動く痛みと同様に、慣れるまで付き合っていく必要があります。特に装置の調整後は数日間我慢しなければなりません。固いものや肉などと言った噛み切る必要のあるものは避け、できるだけ噛む必要のないものを食べるようにすると良いです。
痛み軽減の方法
まず食事の際に伴う痛みについては事前に食事の指導を行なったり、違和感が強い場合は進めるペースを緩めると言った方法を行ないます。
また、装置が当たる痛みについては、口内炎を予防する歯科用のワックスを使用します。その上から半透明のカバーのようなものを装置が当たる部分に付けます。万が一外れて飲み込んでしまっても問題ない素材でできています。こうした方法によってそれぞれの痛みを和らげることができますが、歯科医院によって治療の有無や方法は異なります。不安な場合は治療を行なう前に、医師に確認する必要があります。
まとめ
上記で説明したように、歯列矯正では主に3つの痛みを伴います。ですがこの痛みには個人差があり、矯正をする人みんなが感じるわけではありません。痛みを強く感じる人のために歯科医院では、さまざまな治療方法を行なっているため、怖がる必要はありません。完全に痛みを無くすことはできませんが、少しでも痛みを軽減することができます。治療方法は歯科医院によって異なるため、あまりにも痛みを伴う場合や不安な場合は相談すると良いでしょう。