2016/02/24 カテゴリー:院長ブログ
よく聞かれる質問として、矯正専門開業医と一般歯科の歯医者さんの矯正は、どう違うのですか? と聞かれます。
矯正歯科医への道
多くは、歯学部を卒業後、大学の矯正学講座や矯正科に在籍して、矯正専門の勉強を終了しています。研修内容は、各大学によって多少異なりますが、日本歯科大学では3年間の研修期間に、矯正歯科関連の教科書や文献を読んで、矯正の知識の基礎を学びます。また、大学病院では、指導医のもとで患者さんの治療を担当し、臨床経験を積んでいきます。大学在学中の6年間に矯正学をまなびますが、時間が限られているため、歯学部卒業後、一から矯正学を学ぶことになります。
日本矯正歯科学会(日本で一番大きい矯正歯科学会)の矯正歯科認定医の試験をうける
約5年間研修を積み、日本矯正歯科学会認定医の試験をうけます。論文を投稿し、厳正な症例審査をうけます。また、5年おきに更新の審査があります。矯正専門医の多くは、この資格をもっています。ここ以外の学会の資格もありますが、審査状況を考えると同等ではないようです。
症例の臨床経験数が違うはずです。
矯正歯科開業医は、毎日矯正治療を行っています。しかし、一般歯科の矯正患者さんは、7~8%以下だと思われるます。矯正歯科専門医が、治療実績が多いのは当然です。
しかし、残念ながら矯正歯科専門医は、虫歯の治療やかぶせ物や詰め物の治療ができません。矯正治療にすべてをかけています。
矯正治療を勉強する時間が多いはずです。
臨床経験数と同じく、100時間勉強すれば100時間、矯正治療に関する勉強です。一般の先生がいろいろな分野(歯周病、インプラント、審美歯科、マイクロ根治等)を勉強をされる間に、私たちは矯正に関することだけを勉強しているのですから、矯正に関する勉強量は、多いはずです。
矯正治療は結果を確認するのに時間がかかる
小学生低学年で矯正治療を開始すると、治療結果を確認するのに約10年かかります。大学病院や大きな病院では、途中で担当医の引き継ぎも多く行われます。矯正開業医では、一人の先生にずっとみてもらえます。長期に同じ先生に診てもらうことが重要です。
では最後に、患者さん目線で矯正歯科専門医と一般歯科では、何が違うのでしょうか?
それは、知識や臨床経験に基ずく、治療方法の提案できるプランの多さです。矯正歯科専門医は、より多く勉強してますので、多くの矯正装置が扱うことができます。また、治療方法も多く提案できることが、患者さんにとって最大の利点となります。
一つ装置(例えば床矯正)しか使えない状態で、すべての患者さんをその装置で治療するには、無理があります。症例にあった装置を選するべきです。また、治療方法も歯を抜かない治療と歯を抜く治療では、治療の難易度としては、歯が抜く方が難しいのが一般的です。歯を抜かない治療ですべてを対応することも当然無理があります。
いろいろな装置が使えて、治療方法も多く提案できるのが、矯正歯科専門医の優位性かと思います。治療結果でも、しっかり良い結果を示していくことも大事なことです。
この装置なら治療期間短縮とか? 世の中にうまい話はありません。十分注意してください。