2018/05/07 カテゴリー:矯正治療
こんにちは。ジェム矯正歯科の作野です!!
矯正相談にいらした患者様が、よく聞かれるのが治療中の痛みについてです。
矯正治療がスタートし装置がつくと、痛みがでる可能性があります。
痛みの種類には2種類あります。
1つ目は、歯が動く痛みです。
痛む原因は歯が動く仕組みに関係しています。
歯は歯根膜と歯槽骨(歯の周りの骨)から支えられています。
歯根膜は、繊維で出来ており物を噛んだときの力を分散させるクッションの働きをしてします。
また、歯根膜には神経や血管が通っているので、歯根に栄養を送ったり、物を噛んだときの感触を脳へ伝える働きもしています。
矯正治療によって歯に力を加えると、歯根膜が伸縮します。この時、歯根膜の繊維は一定の幅を維持しようとします。
そこで、矯正によって歯根膜が縮んだ部分では破骨細胞が周囲の骨を吸収していきます。
反対側の歯根膜が伸びた部分では、骨芽細胞が骨を増やして歯根膜の幅を一定に保ちます。
矯正治療は、このような骨の代謝機能を利用して歯を移動します。緩やかな力を加えることで骨の代謝を促すため、矯正には時間がかかるのです。
代謝機能により、歯は1ヵ月で約0.3ミリ移動することができます。
歯根膜が縮み圧迫される側は歯槽骨を壊し、歯根膜が伸び引っ張られる側は歯槽骨が生まれるといった作用が働いており、その際に起きている炎症により痛みが発生しています。
また、歯が動くときにつながったままの血管や神経が引き伸ばされて、血行が悪くなります。すると血管内に老廃物がたまって、一時的にジンジンとしびれるような痛みが生じる場合があります。
血の流れがよくなると老廃物も流れていくので、痛みは治まります。
歯が動くと痛みがでるメカニズムをこちらのYouTubeで説明しております。
是非参考にしてみてください。
歯の動く痛みは調整後、約5~6時間後に発生し、約2~3日後をピークに1週間程かけてだんだん痛みは治まります。
一度痛みが治まれば基本的に次回の調整日まで痛みが生じることはありません。
また、調整を繰り返すと痛みにも慣れてきますので、矯正治療が進むと初期のような痛みもなくなる方がほとんどです。
歯の動く痛みは、むし歯の痛みのようなキーンとした痛みではなく、圧迫されてむず痒いような痛みです。
もし、痛みが我慢できない場合は、鎮痛剤を服用してください。
2つ目の痛みは、装置が頬や舌、唇等のお口の粘膜に擦れる痛みです。
装置に慣れるまでは、擦れて傷や口内炎ができる事があります。
装置を付けてから数週間ほどでお口の中の粘膜が硬くなり、口内炎が出来にくくなります。
装置が擦れて痛みがある場合は、ワックスで装置をカバーしてください。ワックスは装置が付いた日にお渡ししています。
<矯正用ワックスの使用方法>
口内炎ができた時の治療法として、丁寧に歯磨きを行い口の中を清潔に保ちましょう。口内炎は自然に治りますが、痛む場合はドラッグストアなどにあります口内炎用の薬を使用してください。
よく口内炎ができてしまう方は日頃から丁寧に歯磨きを行い、お口の中の細菌数を減らし清潔に保つようにしましょう。また、規則正しい生活、栄養バランスのよい食事(特にビタミンB群やC)を心がけ、ストレスをためないようにしましょう。
<口内炎について>
歯の動く痛み、装置が擦れる痛みはともに個人差があります。
痛みが強く柔らかい食事しかできなかったという人から、まったく痛みがないという人まで感じ方は患者様によって様々です。