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2023/06/07 カテゴリー:コラム/NEWS

上顎前突

 上下顎歯列弓、大臼歯関係あるいは骨格性の近遠心的関係のズレがあり、上顎の前歯が下顎前歯より著しく前方に突出した状態をいう。上下顎の前歯の前後的なズレ(突出量)をオーバージェットとし、その数値が5~6mm以上をする。

上顎前突は、通常アングルII級に分類される。II級には1類と2類があり、上顎前歯が唇側傾斜を示し、口呼吸を伴うものをアングルII級1類とし、上顎前歯が舌側傾斜を示すアングルII級2類とする。また、上顎前突の要因は、機能性、骨格性、歯槽性など種々混在する。

 

上顎前突の治療

 

  • 骨格性要因 上顎の過成長認める成長期には、上顎の成長抑制や上顎第一大臼歯の遠心移動の目的でヘッドギアを用いる

下顎の劣成長を認める成長期には、機能的矯正装置(バイオネーター、フレンケル、)を用いる この機能的矯正装置は、成長期にしか、効果をあげることができない。第一期治療を行う、根拠の一つになりうる。

  • 機能性要因 指しゃぶり、舌突出癖などの口腔習癖に原因するものは、習癖除去の指導や習癖除去装置(フェンス等)を用いる

 

  • 歯槽的要因 上顎前歯が過度に唇側傾斜している場合は、その程度により歯列弓の拡大や小臼歯の抜去を行い、上顎前歯を舌側移動させることにより、オーバージェットの減少をはかる。拡大装置やマルチブラケット装置などを用いる

近年、中学生以上の第2期治療や成人矯正では、歯科矯正用アンカースクリューが多く用いられている。特に、上顎前歯の舌側移動や上顎歯列弓全体の遠心移動に効果的で、さらにシザースバイトの上顎大臼歯の圧下しながらの舌側移動や開咬症例に応用されてきている。今後さらに応用範囲の期待できる装置である。一方で、脱落や痛み等のリスクも十分説明して行う必要がある。

まとめ

第一期(成長期)では、機能的矯正装置が下顎劣成長の時は、口元を大きく変化させ、効果的である。

中高生以上の永久歯列期(第二期)の矯正治療では、矯正用アンカースクリューが効果的である。

監修 日本橋人形町ジェム矯正歯科 

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